島根県は、岩手県、宮崎県と並ぶ、神楽の盛んな国内有数の“神楽県”なんです。島根の神楽は「出雲神楽」「石見神楽」「隠岐神楽」の3種類に大別され、それぞれに特色がありますが、ここでは石見神楽について書いていいですか?県内には250前後の神楽社中(かぐらしゃちゅう)があります。そのうち約130が県西部にある石見神楽の社中といわれています。神楽の演目には、古事記などに登場する神話の世界を再現したものが多くありますが、石見神楽の代表的な演目は、何といっても「大蛇(おろち)」です。スサノオノミコト(須佐之男命)がヤマタノオロチ(八岐大蛇)を退治する古事記の神話を再現する舞台で、何頭もの大蛇が長い胴を自在に操って煙幕や火を吹きながら絡み合い、スサノオと大迫力の立ち回りを演じます。神事であった神楽が民衆の手に受け継がれると共に、石州和紙を材料とした神楽面や大蛇の胴が作られ、テンポの速い八調子(はっちょうし)神楽が誕生しました。「進化する芸能」として発展し続ける石見神楽は海外でも人気があり、世界各地で上演されています。
ネタに掲載している情報は2019年2月1日現在のものです。
また、内容には諸説あるものもあります。